甲突寮との連携
横浜力行舎のアフターケア施設として更生施設の甲突寮(社会福祉法人幼年保護会)が同一敷地内に建てられており、同一の職員によって一体的な支援を行っています。更生施設とは生活保護法に基づく保護施設であり、「身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設」です。甲突寮の入所定員は50名で、主に神奈川県内で生活保護を受給されている方が福祉事務所からの措置により入所されています。
横浜力行舎では、さまざまな支援や行事などを甲突寮と一体的に行っているほか、支援において必要がある場合には、福祉事務所と綿密に相談しながら横浜力行舎から甲突寮に移管を行い長期的な支援に取り組んでいます。甲突寮のホームページについてはこちらです。
甲突寮への移管は、たとえば次のような場合でかつ本人が希望した場合に相談を行うことがあります。
障害福祉サービスの利用を希望しているが法定期間内の調整が難しい場合
障害福祉サービスの利用までには、時間がかかる場合があります。特に、今回初めて障害福祉サービスを利用するなどといった場合で、精神障害者保健福祉手帳等の取得から始めるとなると、初診扱いの場合は診断書を書くまでに半年、その後手帳ができあがるまでに3ヶ月といった時間がかかることも少なくなく、そこからの福祉サービス調整には時間的猶予が少ない場合があります。そういった場合には甲突寮へ移管することで、安心して手続きを進めていくことができます。また、法定期間に縛られないことで、しっかりとアセスメントを行いながら安定した生活実績を積み重ねることができ、将来の選択肢の幅を増やしていくことにも繋がります。
高齢者施設等を希望しているが法定期間内の調整が難しい場合
本人の能力や特性、医療面などの情報が少なく、法定期間内の調整では選択肢の幅が広くないという場合があります。そういった場合には、甲突寮へ移管してしっかりとアセスメントを行い、また安定した生活の実績を積み重ねていくことで、将来的な選択肢の幅を増やしていくことができる場合があります。
アディクションからの回復を希望しているが金銭的余裕がなく財政的基盤を整えたい場合
アルコール依存症やギャンブル依存症といったアディクションからの回復を希望するが、金銭的余裕がないという場合があります。アディクション治療の場合、通院や通所を行いながら回復を目指していくことになりますが、その間の収入は基本的にありません。そこで、生活保護を受給して甲突寮へ移管することで、財政的基盤を整えながら安心して回復を目指すことができます。
就労自立を希望しているがさまざまな理由により法定期間内の自立が難しい場合
就労から離れている期間が長かったり、精神疾患等を抱えていたりといった理由から、自分にあった仕事をじっくりと探すことが望ましい場合や、徐々に就労時間を増やしていくことが望ましい場合があります。そういった場合には、甲突寮へ移管することで、法定期間に縛られることなく自分に合ったペースで自立を目指していくことができます。
その他幼年保護会事業所との連携
必要な支援をより円滑に進めていくため、幼年保護会では、甲突寮以外にもさまざまな事業を展開しています。
◆グループホームふぁん
障害をお持ちの方が見守りのある環境で生活しながら自立を目指したいとき、グループホーム(共同生活援助)の利用を検討することができます。しかし、入居を希望したとしても、タイミングによっては空きがないなどさまざまな理由から調整が円滑に進まない場合もあります。そこで、幼年保護会では18歳以上の知的障がい者及び精神障がい者を対象としたグループホームを開設し、必要に応じて連携を図りながら円滑な支援に努めています。
◆よこはま包摂相談支援センター
就労福祉サービスやグループホームへの入所といった障害福祉サービスを利用する場合、サービス利用の計画を作成するため、相談支援事業所の計画相談支援を受けるのが普通です。しかし、こちらも場合によっては順番待ちが発生することもあり、法定期間が定められている中で円滑に支援を進められない可能性もあります。そこで、幼年保護会では相談支援事業所を開設し、入所者の状況に応じた円滑な支援を行えるよう努めています。よこはま包摂相談支援センターは現在、指定一般・指定特定相談支援事業所として、計画相談や地域移行支援といった事業を行っています。